東洋医学が初めての方にも分かるように
ご紹介します。
これまで、
◉「気」=身体を動かす力
◉ 「血」=身体を養うもの
◉「津液」=身体を潤すもの
についてご紹介してきました。
では、これらを身体の中で作ったり、
巡らせたりしながら、
私たちの健康を支えているのは何なのでしょうか?
そこで登場するのが、
「五臓(ごぞう)」です!
東洋医学では、
・肝(かん)
・心(しん)
・脾(ひ)
・肺(はい)
・腎(じん)
この5つを「五臓」と呼びます。
「それって肝臓・心臓・脾臓・肺・腎臓のことでしょ?」
と思いますよね。
実は、少し違います。
東洋医学の「五臓」は、
臓器そのものだけではなく、
『それぞれを中心とした
身体のさまざまな働きをまとめた考え方』
です。
そのため、
「目と肝」
「肌と肺」
「耳と腎」
など、
一見すると離れているように思えるところにも
つながりがあると考えます。
それでは、
それぞれどんな働きをしているのでしょうか?
肝は、
『身体の中の気や血が
スムーズに巡るように調節する働き』
に関係します。
また、東洋医学では
「血を蔵す」といい、
血との関係も深い臓です。
肝の働きが乱れると、
・イライラする
・気分が落ち込みやすい
・目が疲れる
・筋肉がつりやすい
・月経に関する不調
などが現れることがあります。
五行式体表では、
◉ 肝 → 目・筋・怒
などと深く関係します。
「ストレスが続いたら身体までガチガチになった」
そんな状態も、
東洋医学では
肝とのつながりから考えることがあります。
心は、
『血を全身に巡らせる働き』
に関係します。
さらに東洋医学では、
「心は神(しん)を蔵す」
と考えます。
ここでいう「神」とは、
精神・意識・思考などを含んだものをいいます。
そのため心の働きが乱れると、
・動悸
・眠れない
・夢をよく見る
・不安感
・落ち着かない
などがみられることがあります。
五行式体表では、
◉ 心 → 舌・脈・喜
などと関係します。
東洋医学では、
「身体とこころを別々に考えない」
という特徴がよく分かる臓でもあります。
脾は、
『食べたものを
身体に必要な気・血・津液へと変え、
全身へ運ぶ働き』
に深く関係します。
簡単にいえば、
「身体の元気を作る工場」
のような存在です。
そのため脾が弱ると、
・食欲がない
・疲れやすい
・身体が重だるい
・軟便や下痢
・むくみ
などがみられることがあります。
五行式体表では、
◉ 脾 → 口・肌肉・思
などと関係します。
「食べているのに元気が出ない」
そんなとき、
東洋医学では食べる量だけでなく、
それを身体がきちんと利用できているかまで
考えます。
肺というと「呼吸」をイメージしますよね。
もちろん東洋医学でも、
肺は呼吸と深く関係します。
でも、それだけではありません。
肺には、
『気や津液を全身へ巡らせる働き』
もあると考えます。
そのため肺の働きが乱れると、
・咳
・息切れ
・風邪をひきやすい
・鼻の不調
・肌の乾燥
・むくみ
などがみられることがあります。
五行式体表では、
◉ 肺 → 鼻・皮毛・悲(憂)
などと関係します。
「肺と皮膚が関係するの?」
と思うかもしれません。
こんな意外な身体のつながりを考えるのも、
東洋医学の面白いところです。
腎は、
東洋医学ではとても重要な臓のひとつです。
腎には
『「精(せい)」を蔵す』
という働きがあり、
・成長
・発育
・生殖
・加齢
など、
生命の土台となる働きに深く関係すると
考えます。
さらに、水分代謝にも関係します。
腎の働きが弱ると、
・腰や膝がだるい
・耳鳴り
・聞こえにくい
・頻尿など尿の変化
・冷え
・年齢とともに現れるさまざまな変化
などがみられることがあります。
五行式体表では、
◉ 腎 → 耳・骨・恐
などと関係します。
以前メニエール病のお話でも登場した、
「耳と腎は深い関係がある」
という考え方も、
ここにつながっています。
ここまで読むと、
「私は肝が悪いのかな?」
「むくむから腎かな?」
と思うかもしれません。
でも、
東洋医学では五臓をバラバラには考えません。
例えば、
脾が食べ物から気や津液を作る
↓
肺が気や津液を全身へ巡らせる
↓
腎が水分代謝の土台を支える
というように、
五臓はお互いに助け合っています。
どこか一つの働きが弱くなると、
やがて別のところにも影響することが
あります。
だからこそ東洋医学では、
「どこが痛いのか?」
だけではなく、
「身体全体で何が起きているのか?」
を大切にします。
五臓はそれぞれ違う仕事をしながら、
5人のチームのように協力して
身体を支えていると考えると
分かりやすいでしょう。
東洋医学では、
「最近、目が疲れる」
「食欲が落ちて身体がだるい」
「肌が乾燥する」
「耳鳴りが気になる」
といった、
一見バラバラに見える症状にも注目します。
なぜなら、
それぞれの症状をつなげて考えることで、
身体全体の状態が見えてくることが
あるからです。
鍼灸では症状だけでなく、
脈やお腹の状態、
睡眠、食欲、排泄、冷えなども確認しながら、
その方の身体が今どのような状態なのかを
考えて治療していきます。
今回ご紹介した、
🌿 肝 ― 巡らせる
❤️ 心 ― 血とこころを支える
🌾 脾 ― 元気を作る
🌬️ 肺 ― 気と水分を届ける
💧 腎 ― 生命の土台を支える
五臓には、
まだまだ面白い働きがあります。
さらに、
「なぜ肝と目が関係するの?」
「なぜ肺と肌が関係するの?」
「なぜ腎と耳が関係するの?」
といった、
東洋医学ならではの
身体のつながりもあります。
次回は五臓のトップバッター
「肝」
について、
東洋医学が初めての方にも
分かるように詳しくご紹介します!