『メニエール病』

2026年08月05日 00:00
カテゴリ: 各種症状ブログ

『メニエール病』


「急に天井がグルグル回るようなめまいが起きた」

「耳が詰まったような感じがする」

「耳鳴りと一緒に、聞こえにくくなる」


そんな症状が
繰り返し起こる病気のひとつに、

『メニエール病』
があります。


耳の病気なのに、
どうしてめまいまで起こるのでしょうか。


今回は、
メニエール病とはどのような病気なのか。


そして東洋医学や鍼灸では、
どのように身体を見ていくのか。


できるだけ分かりやすくご紹介します。



【メニエール病ってどんな病気?】

私たちの耳には、
音を聞くための働きだけではなく、

身体のバランスを感じ取るための
大切な器官があります。


そのため、
耳の奥にある「内耳」に
異常が起こると、

聞こえだけではなく、

めまいやふらつきなどが
一緒に現れることがあります。


メニエール病では、
内耳に「内リンパ水腫」
と呼ばれる状態がみられることがあります。


耳の中の液体のバランスが崩れ、
内耳がむくんだような状態になる
イメージです。


ただし、
内リンパ水腫がある=メニエール病、
というわけではありません。


めまいを繰り返すことや、
聞こえの変化、
耳鳴り、
耳の詰まり感など、

症状や経過を合わせて診断されます。


また、
なぜ内リンパ水腫が
起こるのかについても、
まだすべてが分かっているわけでは
ありません。



【どんな症状が特徴?】

メニエール病では、

突然起こる回転性のめまい。

耳鳴り。

耳が詰まったような感じ。

聞こえにくさ。


といった症状が、
繰り返し現れることがあります。


典型的なメニエール病では、

めまいの発作が
20分から12時間ほど続く
ことがあり、

その前後に耳鳴りや耳の詰まり感、
聞こえの変化などを伴います。


症状が落ち着いている日もあるため、

「もう治ったのかな?」
と思うこともあります。


でも、
症状を繰り返すうちに
聴力に影響が残ることもあります。


そのため、

繰り返すめまいや耳鳴り、
聞こえにくさがある場合には、

まず耳鼻科で診察を受けることが大切です。



【どうして起こるの?】

メニエール病というと、

「ストレスが原因ですよね?」
と聞かれることがあります。


たしかに、
疲労や睡眠不足、
精神的なストレスなどが、

発作のきっかけや症状の変化に
関係する方もいます。


ただし、
「ストレスがあるからメニエール病になる」
と単純に言えるものではありません。


メニエール病そのものの原因は、
現在も完全には解明されていません。


だからこそ、
「最近疲れていたからだろう」
と自己判断だけで済ませず、

耳の検査や聴力検査などを受けて、
ほかの病気ではないか
確認することも大切です。



【耳鼻科ではどんなことをする?】

メニエール病の診断では、

めまいの起こり方。

耳鳴りや耳の詰まり感。

聴力の変化。

これまでの経過などを確認します。


聴力検査を行い、

必要に応じて、
ほかの病気を除外するために
画像検査などが行われることもあります。


治療では、

めまいを抑える薬や、

症状や状態に応じた治療、

生活習慣の見直しなどが行われます。


症状が強い場合や長く続く場合には、

状態に応じて、
さらに専門的な治療が
検討されることもあります。



【東洋医学では「耳」だけを見ない】

では、

東洋医学では
メニエール病を
どのように考えるのでしょうか。


昔の医学書には、

現在のような
「メニエール病」
という病名が書かれているわけでは
ありません。


その代わり、

めまい。

耳鳴り。

難聴。

耳の詰まり感。

吐き気。

頭重感。


など、
その人に現れている症状を手がかりにして、
身体全体の状態を考えていきます。


そのため、

「耳の病気だから、耳だけを見る」
という考え方ではありません。



【「耳は腎」だけではない?】

東洋医学では、

「腎は耳に開竅する」
という考え方があります。


そのため、
耳鳴りや聞こえにくさなどの症状から、
「腎」の状態を考えることがあります。


特に、

年齢による身体の変化。

慢性的な疲労。

足腰の弱り。

冷え。

などが一緒にみられる場合には、
腎との関係を考えることがあります。


でも、

「耳の症状=すべて腎」
というわけではありません。


ここがとても大切です。



【めまいには「肝」も関係する?】

めまいやのぼせ、

頭痛、

イライラ、

首や肩の張りなどが強い方では、

「肝」
の状態を見ることがあります。


肝は、

気や血の巡りと
深く関係すると考えられています。


精神的な緊張が続いたり、

身体に力が入り続けたりすると、

気の巡りがうまくいかず、

頭の方に症状が現れると考えることがあります。


同じ「めまい」でも、

症状の出方によって
身体の見方は変わってきます。



【胃腸と耳が関係する?】

一見すると、

耳と胃腸は
あまり関係がなさそうですよね。


でも東洋医学では、

「脾」は、
食べ物や飲み物から
身体に必要なものを取り込み、

水分の巡りにも関係すると考えます。


そのため、

胃腸が弱い。

食欲が落ちている。

身体が重い。

むくみやすい。

痰が多い。


そんな状態がある方では、

「脾」や「痰飲・水湿」
などの状態も考えていきます。


ただし、

ここでいう東洋医学の
「水の滞り」と、

西洋医学でいう
「内リンパ水腫」は、

同じものではありません。


似た「水」という言葉が出てきますが、

別の考え方として
分けて考える必要があります。



【気・血・津液から見ることも】

以前の記事でもご紹介しましたが、

東洋医学では、
身体を支えるものとして、

気・血・津液
という考え方があります。


疲労が強く、
身体を支える「気」が足りない。

血の巡りがうまくいかない。

身体の水分が偏っている。


同じメニエール病という診断でも、
身体の状態は一人ひとり違います。


だから、

「メニエール病だから、このツボ」
と決めるのではなく、

腎。

肝。

脾。

気・血・津液。

その人に現れている身体の変化を見ながら、

どこを整える必要があるのか
考えていきます。



【鍼灸では、どこを見るの?】

当院でも、

耳の症状だけを見て
施術するわけではありません。


脈やお腹の状態。

首や肩の緊張。

睡眠。

疲労。

冷え。

食欲や胃腸の状態。

ストレス。

普段の生活なども確認していきます。


たとえば、
耳が詰まっている方でも、

首や肩の緊張がとても強い方。

眠れていない方。

胃腸が弱っている方。

身体が冷えている方。

それぞれ状態は違います。


そのため、
一人ひとりの身体に合わせて、

使用するツボや施術内容も変えていきます。



【鍼灸だけでメニエール病を治すの?】

ここは、
とても大切なところです。


メニエール病は、

まず耳鼻科で診断や治療を受けることが基本です。


現時点では、

鍼灸によって
メニエール病そのものを
治療できると断定できる、
十分な科学的根拠は確立されていません。


そのため、

病院のお薬を自己判断でやめたり、

鍼灸だけで治そうとすることは
おすすめしていません。


当院では、

耳鼻科での治療を続けながら、

首肩の緊張。

睡眠。

疲労感。

冷え。

胃腸の調子など、

耳の症状と一緒に現れている
身体の不調にも目を向け、

身体全体を整えるための
補助的な方法として

鍼灸を取り入れていただくものだと
考えています。



【「耳」だけではなく、身体全体を見る】

メニエール病というと、

どうしても
「耳の中に何が起きているんだろう?」

と、
耳ばかりが気になります。


もちろん、
耳鼻科で耳の状態を調べることは
とても大切です。


でも東洋医学では、
その耳の症状と一緒に、

眠れているか。

疲れていないか。

胃腸はどうか。

冷えていないか。

首や肩は緊張していないか。


そんな身体全体の状態にも
目を向けます。


耳だけを見るのではなく、

「なぜ今、この人の身体に、
この症状が現れているのだろう?」

と考えていく。


それが、
東洋医学の身体の見方のひとつです。



【耳の症状でお困りの方へ】

もし、

めまい。

耳鳴り。

耳の詰まり感。

聞こえにくさ。

などでお困りの場合には、

まずは耳鼻科で診察を受けてください。


そのうえで、
「病院には通っているけれど、
首や肩の緊張も強い」

「疲れや睡眠の状態も一緒に整えていきたい」

「耳の症状だけではなく、
身体全体を見てもらいたい」


そんな方は、
一度ご相談ください。


病院で治療を受けているものの、
なかなか症状が変わらずお悩みの方も、

鍼灸という
別の視点から
身体を整える方法のひとつとして、
ぜひ一度ご相談ください。


当院では、
耳の症状だけを見るのではなく、

脈やお腹、
睡眠、冷え、疲労、胃腸の状態
なども確認しながら、

お一人おひとりの身体に合わせて
施術を行っています。


鍼灸が、
今の身体を少し見直す
ひとつのきっかけになればと思っています。


気になることがございましたら、
お気軽にご相談ください。

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