先月末に参加した勉強会のテーマが
『腰部 脊柱管狭窄症』でした。
脊柱管狭窄症になってしまうと悩まされる問題は
『坐骨神経痛』だと思います。
ですので今回は、『坐骨神経痛』の原因となる
「脊柱管狭窄症」や「椎間板ヘルニア」についてわかりやすく解説しつつ
『坐骨神経痛』について簡単にお話ししようと思います。
坐骨神経痛ってなに?
まず「坐骨神経」とは、おしりから足の先まで通っている、
体の中で一番長くて太い神経です。
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この神経がどこかで圧迫されたり、刺激されたりすると、
おしりから足にかけて「ズキズキ」「ピリピリ」とした痛みやしびれが
出てくることがあります。
これが「坐骨神経痛」と呼ばれる症状です。
どんな症状が出るの?
①おしりや太もも、ふくらはぎにしびれや痛み
②片足だけの痛みやしびれが多い
③長時間立っていたり、歩いたりすると足が辛くなる
などが挙げられ、
前かがみになることや、座ることで症状が軽くなることもあります。
症状の強さは人それぞれなので、
「ちょっと気になるな…」くらいの人もいれば、
「足を引きずるほど痛い」という方もいらっしゃいます。
坐骨神経痛の原因は?
まず坐骨神経痛とは「病名」ではなく「症状の名前」です。
原因になる病気や状態はいくつかあります。
1つ目は
『脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)』です。
冒頭にお話しした前回参加した勉強会のテーマです。
脊柱管狭窄症を簡単に説明すると
背骨の中には脊柱管というトンネルのような空間があり、
そこを脊髄や神経が通っています。
このトンネルが加齢や変形などによって狭くなり、
下の図のように神経が圧迫されて痛みやしびれが出できます。
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2つ目は
『腰椎 椎間板(ようつい ついかんばん)ヘルニア』です。
「ヘルニア」とは、体の中のものが、
本来ある場所から飛び出してしまうという意味なので
椎間板ヘルニアを簡単に説明すると、
背骨の間にあるクッション(椎間板)が変形し、
外に飛び出して神経を圧迫してしまうことを指します。
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狭窄症は脊柱管の狭窄が原因で、ヘルニアは椎間板が突出することが原因で
神経を圧迫してしまい『坐骨神経痛』が起こります。
3つ目は
『梨状筋(りじょうきん)症候群』です。
おしりの奥には「梨状筋」という小さな筋肉があり、
この筋肉のすぐ下を「坐骨神経」が通っているので
この筋肉が硬くなったり、凝ったりすると坐骨神経をギューッと圧迫してしまい
おしりや足に痛みやしびれが出る症状をいいます。
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これら以外にも
腰やおしりの筋肉のコリ、ゆがみ、冷えなどが原因で起こることがあります。
東洋医学や鍼灸ではどう考える?
東洋医学では、坐骨神経痛は「経絡(けいらく)の流れが悪くなった」状態や、
「寒さ・湿気が体にたまった」状態と考えます。
実際に、おしりや足に冷えやコリがある方が多く、
鍼やお灸で血流や気の流れを整えると、痛みやしびれがやわらぐことが多くあります。
養生のアドバイスは?
神経痛全般に共通することですが
冷えは痛みを悪化させ、また治りづらくさせる原因となります。
治療も大切ですが、自己管理と予防のため、
体の内外から冷やさない工夫が大切です。
特にこれからの季節は露出範囲が広くなるため、
冷房を患部のおしりや足に直接当たらないように気をつけ、
冷たい飲み物は控えるようにしましょう。
他にも
長時間同じ姿勢を避ける(座りっぱなし・立ちっぱなし)、
軽いストレッチやウォーキングで血流アップ、
お風呂でしっかり温まるのもおすすめです。
最後に
『坐骨神経痛』は、日常生活にも影響が出るつらい症状です。
ですが、あきらめずにケアを続けることで、
少しずつ楽になる方も多くいらっしゃいます。
私もこの症状に悩まされている1人なので
日々意識して生活しています。
もし、同じような症状でお悩みの方はお気軽にご相談ください。
鍼灸には、体にやさしく、自然な回復力を引き出す力があります。
ぜひ、お待ちしております。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。