『 めまい 』

『 めまい 』

前回ご紹介した“自律神経失調症”と深い関わりがあり、
特に春に起こりやすいのが「めまい」です。

実際に最近、めまいの症状でご来院される方が増えています。
目が回ってクラクラしてしまうと、日常生活にも支障が出てしまいますよね。
今回は、その「めまい」について詳しくお話ししてみたいと思います。


まず“めまい”には3つタイプがあり
1つ目は
ぐるぐるまわる、“回転性めまい”です。
自分または周囲が回っているように感じ
内耳や三半規管の異常で
メニエールや前庭神経炎などが関係することもあります。
ウイルスや炎症、ストレスや過労も要因の一つです。

2つ目は
ふらふらゆれる、“浮動性めまい”です。
地面が揺れているような感覚で、ふわっとした不安定さを感じます。
自律神経の乱れや脳の血流不足、首・肩こり、
睡眠不足、疲れ、ストレスや不安感などが原因となります。

3つ目は
“立ちくらみ”です。
急に立ち上がったときにふらついたり、目の前が暗くなることもあります。
原因としては、起立性低血圧のような血圧の急な変化や
貧血、脱水、栄養不足、自律神経失調症などが関係しています。


東洋医学では
春は“陽気”が頭にのぼりやすい季節とされ

本来、体全体に満遍なく巡るべき“陽気”が頭に集中しやすくなるため、
のぼせやめまいが起こりやすくなります。


また、めまいの原因は東洋医学的に
以下の4つのタイプに分けて考えられます。

1つ目は“肝陽上亢(カンヨウジョウコウ)”タイプです。
このタイプは“ストレスが多く、自律神経の乱れやすい方”に多く見られます。
怒りやストレスにより体内の「気、血、津液(水分のようなもの)」の
巡りが乱れ、頭に陽気が昇りやすくクラクラします。

養生法としては、ストレスの管理が不可欠です。
深呼吸や瞑想など行い、ストレスを溜めすぎないことが大切です。


2つ目は“痰濁(タンダク)”タイプです。
このタイプは“胃腸が弱く、水分代謝が悪い方”に多く見られます。
胃腸の機能低下により、身体に余分な水分が溜まってしまうため
それが頭部に停滞し、ぐるぐる回るめまいや吐き気が起こります。

養生法としては、胃腸が弱くなっているので脂っこい物や甘い物を控え、
身体を冷やさず、温かいものを摂って代謝を高めましょう。


3つ目は“気血両虚(キケツリョウキョ)”タイプです。
このタイプは“貧血気味の方や低血圧の方、産後の方”に多く見られます。
気や血の不足は立ちくらみや疲れやすさ、
動悸などが出やすくなります。

養生法としては、こまめな水分補給、栄養のある食事
(特に鶏肉などのタンパク質やほうれん草、季節の野菜など)
を積極的に摂取しましょう。


4つ目は“腎虚(ジンキョ)”タイプです。
このタイプは“慢性的に疲れが溜まっている方やご高齢の方”に多く見られます。
過労や加齢、房事過多により“腎精(ジンセイ)”という生命力が不足してしまうため
ふらつきや耳鳴り、腰痛といった症状が起こりやすいです。

養生法としては、睡眠をしっかり取ることと、
腎虚の方は身体が冷えやすく、冷えてしまうと体調が悪くなりやすいので
生姜やニンニクなどの身体を温めてくれる食材を活用しましょう。
スクワットやウォーキングなど足腰を鍛える運動もおすすめです。


また一般的な対策としては
適度な運動で「気・血」の巡りを良くしたり、
肩や首のマッサージや温灸で血流を促進してあげると良いでしょう!


“めまい”に効くツボとしては
『翳風(えいふう)』はとても効果があります。
(耳たぶの後ろ、出っ張った骨の手前のくぼみにあります。)

ここを刺激すると
首や耳周辺の血流が良くなり、
めまいや耳の症状に効果が期待できます。


私の母や祖母も若い頃からメニエール病に悩まされており、
私が小さい頃から気圧の変化や季節の変わり目には
ぐるぐる回るめまいや吐き気に苦しみ
年に数回、数日間起き上がることができなくなっていました。
私が鍼灸師の資格を取り、
定期的に治療をするようになってからは、
めまいで寝込むこともほとんどなくなり、
やはり鍼灸は「気・血」の流れを整える力があるんだなと
実感しています。

“めまい”にお悩みの方はお気軽にご質問、ご相談ください。
鍼灸でできることはたくさんあります。
一緒に体質改善を目指していきましょう!
ぜひ、お待ちしております。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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