先週の暖かさがウソのように今週は真冬の寒さですね。
春と言えば花粉症の方には憎い季節かもしれませんが
みなさんは『春』にどの様なイメージをお持ちでしょうか?
暦上では、立春(2月4日ごろ)〜立夏(5月6日ごろ)を指し
この時期は冬に盛んだった『陰気』が衰えていく変わりに
『陽気』が徐々に増してくる時期なので、草木が芽吹き万物が生じる時期にあたります。
これを『発陳』といい、『発生』と同じ意味をもち
冬の間眠っていた古いものを、春になり発散して新しくしていくという意味です。
私もこの時期に何か新しいことを始めたいと思い
毎回1つのテーマを決め、それについてわかりやすくまとめたものを
アウトプットする場としてこのブログを活用していきたいと思います。
週に1度くらいのペースで更新していきたいと思いますので
1人でも多くの方に興味を持っていただけたら嬉しいです。
第1回目は先日見た橋本公園の河津桜が綺麗だったので『春』を選びました。
自身の学びの場として始めたものですが
読んで下さった方にも同じように知識の一つとして抽斗にしまっていただけたらと思います。
さて、『春』をテーマに選びましたが
この季節になると私たちの体にはどのような変化が起こるのでしょうか?
ここで重要となるのが“陽気”です。
ですが陽気について話す前にまず“陰陽論”について簡単にご説明します。
陰陽とは
みなさんも聞いたことがあるかと思いますが簡単に言いますと
この世のあらゆるものには陰と陽という2つの性質があり
両者が相互に対立したり、関連する物事の代表を“陰と陽”を用いて表しています。
例えば・・・
上と下、表と裏、夏と冬、昼と夜、寒と熱、明と暗、男と女
など挙げればきりがありません。
陽とは
二分した際の積極的に動くもの、外向的、上昇的、温熱的、明瞭なものなどは全て陽に属します。
上記であれば、上であり、表であり、夏であり、熱であり、明であり、男であります。
逆に陰とは
相対的に静止したもの、内向的、下降的、寒冷的、暗いものなどは陰に属します。
例えば扇風機を陰陽で表すと
物質は陰、機能は陽なので
形ある扇風機本体を陰とし、出てくる風を陽とします。
このように全てのものを陰陽で捉えることができます。
以上のことから人の身体にとって陽気とは
“身体を温めてくれる気の流れが上や外に向かっていくことなんだな〜”
というイメージを持っていただけたと思います。
東洋医学ではこの様なイメージや意識、感覚がとても大切で
長い歴史のある不思議な世界ですが楽しんでいただけたらと思います!
また、自然界の陰と陽は
1年の四季や1日の昼と夜の様にバランスをとりながら変化しています。
それがこの太極図です↓
四季では上の図のように
夏に陽が極まり、冬に陰が極まります。
陰と陽がそれぞれ極まったあとは徐々に陰と陽が入れ替わり季節は循環していきます。
この様な陰と陽のバランスは人体にも深く関係があり、
バランスが整うことで健康状態が保たれています。
逆にどちらかが強くなったり、弱くなったりすると
陰陽のバランスが崩れ心身の不調に繋がっていきます。
人には本来、陰と陽のバランスを自然に回復する機能が備わっていますが
その調節が間に合わない場合には“鍼灸”や“漢方”などの治療が
身体を整わせる助けをしてくれます。
この様に“陽気”が強くなり始める “春” には
人体にはどの様な変化が起こっていくのでしょうか?
まず陽気の力が弱い場合
陽気は外に向かって出て行こうとしますが
発散する力が不充分であると陽気の熱が外に出ることができず
身体の中のあちこちに熱を滞らせてしまいます。
そうすると熱というのは上に昇ろうとしたり、外に出て行こうとするので
めまい、のぼせ、ほてり、頭痛、アレルギー性鼻炎など
身体の上部の熱の症状が出てきます。
また陽気の熱が皮膚に滞ると
アトピー性皮膚炎など皮膚の症状も現れるようになり
自律神経も乱れやすくなるので
不安症や鬱などの精神疾患や睡眠の質にも影響を与えます。
この様な症状を起こりにくくする為
“春の陽気” を元気に保つにはどの様なセルフケアが大切なのか?
重要なのは
“季節の移り変わりに順応して過ごす為には、前の季節から準備をしておくこと” です。
例えば
冬に激しい運動や労働、夏の野菜や冷たいものを食べることや飲むことは
自力で増やすことのできない“冬の陽気”を減らしてしまいます。
本来、冬は春に向けて陽気を蓄える季節なので
活動を控え、陽気の発散を守る生活を心がけていくことが大切です!
他にも春は風が強いので“風邪(フウジャ:風の邪)にも気をつけましょう!
風は陽の邪なので身体に侵入すると、身体の上部の熱の症状や
体表を温め、外邪(ガイジャ)の侵入をガードしている “気” を乱し、
発熱や悪風(汗がジワジワ止まらない)などが症状が現れます。
“風邪” は
年間通し四季の全てに現れますが、春は特に風が強く、まだ風も冷たいです。
首や手首、足首など首と名のつく部位は肌肉が薄くそこから風邪(風の邪)が侵入しやすいので
なるべく肌の露出をさけ
ストールや襟のあるものを着て風邪の侵入を防ぎましょう。
また現代ではエアコンや扇風機、乗り物の窓からの風など
人工的な風による風邪の症状として顔面神経麻痺や肩、腕などの痺れや痛みを
引き起こす場合があるので注意が必要です。
最後に
以上のことから春には陽気の働きがとても大切なので
陽気の発散を助けてくれる “春野菜” などの旬のものや “酢の物” を
意識的に摂るようにしましょう!
(菜の花、せり、ふき、セロリ、たけのこ、アスパラガス、うど、ふきのとう、新玉ねぎなど)
また朝の “陽気” を取り込むため
早く起きてウォーキングなど、負担の少ない運動を始め
軽く汗をかいて、陽気の発散や循環を促してみることをオススメします!
思ったより少し長くなってしまいましたが
最後までお読みいただきありがとうございました!
読みにくい部分もあったかもしれませんが
第1回目のテーマ『春』 について終わります。
参考文献
『東洋医学概論』医道の日本社
大山勝行『東洋医学の春夏秋冬 セルフケアでからだを整える』三樹書房
監修者 平間直樹 浅川要 辰巳洋『基本と仕組みがよくわかる東洋医学の教書』ナツメ社